サイロモービルと名付けられた移動検査車が、病気撲滅のためのキャンペーンと疫学研究に活用されています。
ヨウ素欠乏症は、世界の一部の地域では有病率が50%に上る内分泌疾患です。この病気は様々な症状の生理的・精神的障害を引き起こし、小児期における知的障害の最大の原因にもなっています。しかし、ヨウ素欠乏症は予防でき、撲滅することも十分に可能です。それによって人々の健康に大きく貢献することでしょう。
ユニセフと世界保健機構(WHO)は、過去10年以上にわたって、ヨウ素欠乏症を撲滅することの重要性を訴えています。また、ヨウ素欠乏症の撲滅と次世代の身体的・精神的障害を防ぐことを目指して、これまで各国の指導者たちが多くの宣言に署名し、国際機関が公約を発表しています。
Merckはサイロモービルを3台所有しており、1台は2年前からオーストラリアとニュージーランドで活動しています。「オーストラリアは、食生活が原因でヨウ素欠乏症にかかる人が再び増えており、深刻な健康上の問題に直面している」と、ウエストミード病院臨床病理学医学研究所の所長で、オーストラリアヨウ素欠乏症管理センター(ACCIDD)の所長も務めるクレス・イーストマン教授は述べています。同教授は現在、第1回ヨウ素栄養調査(NINS)を展開中です。
広大なオーストラリアの全域から研究用のためのサンプルを採取する必要を考え、Merckはサイロモービルを提供しました。調査はシドニーから始まり、オーストラリア全体を網羅するもので、各州で300~400のサンプルを採取することを目標に掲げています。ノースウェールズ州とサウスウェールズ州では無作為に19の小学校を選び、サイロモービルを活用して生徒を対象に検査を実施しました。
ヨウ素欠乏症の研究にサイロモービルが活用されたのは、オーストラリアが最初ではなく、この10年でヨーロッパ、インドネシア、ラテンアメリカの何千人もの子供たちをサイロモービルで訪問し、オーストラリアのNINSと同様の調査を行っています。過去2年間にサイロモービル2台が、スペイン(1カ所)、ポーランド、オーストリア(各2カ所)、ドイツ(公共医療サービス7カ所、メルセデスベンツなど複数の企業)で使用されました。
これまでに4万5,000人以上(子供および成人)がサイロモービルでヨウ素欠乏検査を受けています。貴重な科学的情報が収集できるだけでなく、サイロモービルが行く先々でヨウ素欠乏症について地域社会の意識を喚起することができ、社会的キャンペーンの手段になっています。Merckは、サイロモービルによって小児期の予防可能な疾病の抑制を科学的に支援するという公約を実現しました。

ヨウ素欠乏症のキャンペーンと疫学研究のために世界各地で活動中のサイロモービル